さらつま日記

サラリーマン妻日記。日々のこと、子育てのこと、考えたことを書いてます。

「はらぺこあおむし」にはそもそも腹痛の場面は想定されていなかった件

日本でもおなじみの絵本「はらぺこあおむし」の作者のインタビューがフランスの雑誌に掲載されたという記事を発見したので読んでみたらすごくおもしろかった。

原文はこちら(英語)。この記事を書いたときに読んでいた記事が削除されてしまったようです。なのでオリジナルの記事の方のリンクを貼っておきます。

 

www.theparisreview.org

 

これによると、当初、作者のエリック・カールはあおむしが食べ物を大量に食べたあと腹痛をおこす場面は想定していなかったとのこと。

 

「あおむしは本当にお腹がすいてたんだ、僕らだってそういうことがあるだろう。彼は大いなる食欲を心から満喫して、これらの経験は彼を変化させるんだ。もちろん良い方へね。」

 

エリック・カールは、ある意味、このあおむしは私たちそのものでもあると言ってる。ここでのあおむしの食欲というのは、大人にとっては「自分が心から欲して、楽しむもの」の比喩になってるのかもしれない。
ところが、出版社の人が「これじゃぁ、子供たちのいいお手本にはならないよ。食べ過ぎはだめなんだってことわからせなきゃ。もし読者がこの意図を誤解したら「はらぺこあおむし」は昨今の肥満の子供を表すマスコットみたいになっちゃうかも」と、両者はかなり激しく議論をかわしたようです。


これに対してエリック・カールは異を唱えます。「子供はただ好きなこと(食べること)をしているだけで、宗教的な論理(一部のキリスト教では暴飲暴食は罪として考えられてるため)などによって、彼らに自責の念などを感じてほしくはないんだ。」

 

記者曰く、

「ところで、このはらぺこあおむしっていうのは誰なんだろう。それは、人生の喜びをどん欲に求める、子供の心を持った私たち自身のことに他ならない。」

 

この記事を読んだあと、先日長女が「こわい夢を見た」というので早々と起きてきたときのことを思い出した。彼女には繰り返し見るという3つの悪夢がある。そのうちの一つが、「誕生日に学校でケーキを食べてみんなにお祝いしてもらったんだけど、学校が終わってママが迎えにきて、一緒におうちに帰ってるんだけど、りさが『おうちでもまたケーキ食べたい』って言ったらママが『だめ。もう学校で食べたでしょ』って言ったの」

「え!それが怖いゆめ?」って聞いたら神妙な顔つきで「そう」と。

 

虫歯になったりご飯食べられなくなるからってんで、いつも食べる量とか物を私が制限することが多いからこういう夢になったんだろうな〜。でも、このエリック・カールのインタビュー記事を読んでちょっと考えを見直しました。いつもいつもは気が済むまでおやつや好きなもの食べさせることはできないけど、年に数回のイベントの時くらいは(特に誕生日)何も言わずに、今度から好きなだけ、気が済むまで好きなものを食べさせてあげよう。


よく考えたら、いろいろ細かいことや現実的なことなんかを考えずに好きなことを好きなだけできる時間っていうのは大人になるにつれて減っていっちゃうもんだと思う。でも、おやつの暴飲暴食なんかは抜きにしても、子供が好きなことを夢中でやっているときにそれをあたたかく見守る気持ちっていうのは大事なんだろうなと思います。そういう時間こそが子供をあおむしからサナギへ、蝶へと変化させるための栄養になっているとエリック・カールは考えたんだろう。

 

昔、特別支援学校で働いていた時に、アスペルガー症候群の息子さんを持つお母さんから面白い話を聞いた。

 

「●●は、雨が降って水たまりができると、それに飛び込まずにはいられなかったの。毎回毎回、ビショビショの泥だらけになってね。困るでしょ?だから、それをどうにかして止めるのが大変だったんだけど、でも、ある先生は、 息子が好きなだけ、気がすむまで雨が降るたび水たまりで遊ばせてくれてた。そしたら、本当に、ある日からパッタリ水たまりに飛び込むのが止まったの。」

 

彼もまた、お腹いっぱいになった青虫が蛹へと成長したように、次のフェーズへと成長したのかもしれない。

 

 

ちなみに、はらぺこあおむしが世界中で大ヒットしたのは、やはりあの「腹いた」の場面をぬきにはちょっとありえなかったかも、とも思う。でも、腹痛なしバージョンもあったとして、子供たちに読み聞かせたらどっちのほうが人気がでるかな〜。大人からしたら前者のほうが使いやすいかもしれないけど、子供たちはどう思うだろう。


「はらぺこあおむし」はこれ一冊で数字、曜日、食べ物の栄養やバランス、蝶の変態(成長過程での体の変化)などをカラフルな、かわいい絵を見ながら教えられるという優れた絵本。
最近読んでなかったけど、また近いうちに子供たちと一緒に読んでみようかな。

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